カテゴリー:食文化、料理、食品、食材
立ち食いとは、立って食事をすること。罰のために立たされて食事をしているわけではなく、忙しくてゆっくり食事をするヒマがないなどの理由で、あるいは、好きこのんで自ら進んで立って食事をとるのである。
立ち食いは、しばらく前まではお行儀の悪い食事作法として、子どもたちには「買い食い」などとともに禁じられていたスタイルである。しかし、海外のファストフードの進出により、いまでは街を歩きながらハンバーガーやアイスクリームを食べるのが普通の姿となっている。しかし、江戸時代のころから日本人は、屋台で売られていた寿司やソバ、天ぷらなどを普通に立ち食いしており、ファストフードの立ち食いなど「いまさら」なのである。
最近では、本格的な料理店や飲み屋にも立ち食いスタイルが見られるようになり、人気である。安く手早く飲み食いできるからという理由でこのような店を利用する客は多いが、店のほうも、客はどうせ味わって飲み食いしていないだろうからと安物を出せるので、両者の思惑が一致してこのようなスタイルが成り立っていると考えられる。(CAS)