カテゴリー:食文化、料理、食品、食材
味噌汁とは、日本の家庭で食事をするとご飯の横に当たり前のような顔をして付いてくる長年連れ添った奥様のようなスープ。子どもが母親の真似をして作る最初の料理といえるが、子どもは出汁(スープストック)の存在を知らないのでとても飲めないものができあがり、母親の偉大さを思い知らされる(彼女たちは粉末のインスタント出汁の素を入れているだけなのだが)ことになるという、お定まりの小さな感動のドラマがあちこちの家庭で今日も演じられている。
副食としてのスープにはいろいろな可能性があるはずだが、ほとんどの日本人がライスに味噌汁という組み合わせを了承している。スープの味は毎日ほとんど変わらないので、豆腐、油揚げ、ねぎ、大根、わかめ、あさり、しじみなど具材を入れ替えて目先を変え、不覚にもわれわれはその小手先の技術にころりとだまされ続けている。(CAS)