カテゴリー:基本語:形容詞、形容動詞
酷い(ひどい)とは、残酷である、むごい、程度がはなはだしいという意味。人の道(正しいあり方や生き方)をはずれていることを意味する「非道(ひどう)」が形容詞化されたものだといわれる。したがって、「高齢者をだますひどい手口だ」は「人の道をはずれたむごいやり方だ」と言いたいのであり、「今日はまたひどい顔だね」は「人の道をはずれるほど朝まで飲んだくれていたんだね」あるいは「人の道をはずれるほどむちゃくちゃな化粧だね」と言いたいのであり、「テストでひどい点を取ってしまった」は「人の道をはずれそうな(学校を追い出されそうな)ほどテストの点数が低かった」と言いたいのである。このように「ひどい」は「程度がはなはだしい」という意味で用いられる場合でも、語源の影響で「はなはだしく悪い」状況を言い表すことがほとんどである。ただし例外もあり、「あのコをひどく気に入っている」という場合は、「非常に気に入っているのでストーカーしている」というような意味はなく、ただ単に「非常に気に入っている」と言いたいだけなのである。(もっとも、その先ストーカーになる可能性はないとはいえないが)(CAS)