激しいとは、動きや変化の程度が尋常ではなく強く大きい様子を表す形容詞。「激しい雨」「激しい性行為」「激しい下痢」などと用いる。似たような程度の大きさを表す形容詞に「すごい」「ひどい」があるが、こちらは動きをともなわない言葉にもかかる。例えば「すごい目つき」「ひどい便秘」とはいうが、「激しい目つき」「激しい便秘」とはいわない。このように「激しい」はあくまで「動き」をともなう点が特徴なので、例えば「激しい人」といえば、いつもいらいらしていてちょっとしたことですぐ他人を殴りそうな人のことをいい、「すごい人」のように人格が優れているとか、「ひどい人」のように無慈悲な人など、静的な特徴を表すことはない。
漢字の「激」や「激」を音読みした「げき」も基本的には動きや変化を伴う「激減」「激震」「激変」「激賛(大いに誉めること)」「ゲキ太り(突然激しく太ったこと)」のような用法が基本だが、最近では「ゲキかわ(すごくかわいい)」「ゲキまず(すごくまずい)」「激安(げきやす)」のように、程度が強くていまにも動き出しそうな形容にも用いられる。(CAS)