カテゴリー:基本語:形容詞、形容動詞
すごい(凄い)とは、程度がはなはだしいという意味だが、もとは「あまりに寒くてつらく感じる」「相手の冷たい態度が身にこたえる」「鬼や悪夢に襲われて恐怖を覚える」または「人の仕事ぶりや芸術作品の素晴らしさに感動する」といった、程度がはなはだしいために恐ろしく感じたり、ぞっとしたり、感動したりする心の動きを表した言葉である。語源は、程度を過ぎているの「過ぐ」であるといわれ、現代で言えば「チョーうざい」というときの「チョー(超)」に似た感じかもしれない。
似た言葉に「ひどい(酷い)」があり、「すごい台風」は「ひどい台風」ともいうが、「ひどい」は「非道」から来ているように道徳的なマイナス評価を表す言葉であったためにマイナス評価専門であり、「すごい人」といえば偉大な業績を残した人物を連想するが、「ひどい人」といえばDVなヤツがイメージされる。ただし「すごい」も「ぞっとする寒さや恐怖を感じる」という意味でも用いられたことから、「ひどい顔」が二日酔いや化粧崩れでボロボロの顔が思い浮かぶように、「すごい顔」は「きょうはまたひどい顔だね」などとあなたが口走ったときの奥様の鬼の形相が連想される。(CAS)