兄弟とは、親を同じくする男の子どもたちのこと、または男女を含めた子どもたちのこともいう。比喩的に血縁と同等の関係で結ばれた同士をこう呼ぶ場合があり、ヤクザな人々が「一度契りを結んだからには、絶対裏切りは許さないぞ」という脅しの意味をこめてお互いを「兄弟」と呼び合ったりする。「人類みな兄弟」というときの「兄弟」も同様に比喩的な表現であるが、旧約聖書のプロローグでいきなり兄弟殺人事件が起こった例を引き合いに出すまでもなく、人類の現状を的確に言い表した例えだといえる。しかし、聖書のカインとアベルの場合は、一度殺しが起こってしまえばそれで終わりだが、なにせ人類はいくらでも後が続くものだから始末に負えないのである。(CAS)