カテゴリー:日本論、国民性、習慣、礼儀
土下座の「土」は地面の意味。「下座」は座っているところを下り、床などにひざまづき額を地面にすりつけて礼をすること。したがって「土下座」は地面にはいつくばって礼をすることをいい、貴人に対する最高度の敬意を表す礼法である(これ以上ていねいに礼をするには地面に穴をほって頭を埋めてしまわなければならない……という冗談あり)。
日本では江戸時代、街道などで大名行列に出会った庶民が道ばたで土下座する姿が知られているが、すでに『魏志倭人伝』(3世紀末)に、倭国では貴人が話をするときは下々の者は土下座して恭順の意を表すと記されており、相手をヨイショする作法として土下座が古くから用いられていたことが知られる。
近年では、過ちを犯した者が「ブランドもののこんないい服を着ているのに、地面にはいつくばって汚れるのもかまわずあやまっているのだから許せよ」と、心からの謝罪を表すために土下座をしている。(CAS)