カテゴリー:日本論、国民性、習慣、礼儀
さびとは、日本人の美意識のひとつで、高齢化して身体の動きが鈍くなっていたり、金属や木材が古くなって腐食していたり、木々が枯れて風景が冷え冷えしていたり、人がいなくなって廃墟化しているものなどに、無理やり見出す価値観のこと。「わび」とともに日本人の風変わりな二大美意識のひとつである。
俳人松尾芭蕉の「枯枝(かれえだ)に烏(からす)のとまりたるや秋の暮」などの作品が、さびを表現した代表作とされており、少なくとも、気持ちが前向きになるような美意識ではないが、このような作品を鑑賞して心が穏やかになる日本人は多く、ほんの冗談でそんなものが美しいと言っているわけでないことは確かである。(CAS)