技ありとは、柔道の判定の一種で、攻撃が完全に決まって勝敗が決定する「一本」に近い効果があったときに下される判定。現在の国際ルールによると、投げ技の場合は、「技あり」2本で「一本」、抑え込み技では抑え込んでから20秒立つと「技あり」さらに10秒続けると「一本」となる。
慣用語としての「技あり」は、すぐれた技術がほどこされている商品を宣伝する際などに、「伝統の和菓子職人による技ありの逸品」のように使われる。しかし、よく考えてみれば「技あり」は、柔道では「一本」になりきらない中途半端な技がかかったときの判定であり、その「技」が完璧であると言っているわけではない。したがって慣用語の「技あり」も、「自慢できる技ではございません」という謙遜がこめられているのかもしれないが、まあおそらく、宣伝する側はそんな考えは脳裏に浮かびもせず、その「中途半端な技」をめいっぱい自慢しているつもりなのであろう。(CAS)