カテゴリー:住文化、住環境、建築、インテリア、調度品
路地裏とは、路地の奥といったような意味である。路地の「裏(反対側)」であったら、表通りを意味しそうであるが、この「裏」は「表通りの裏(表通りに面していない側)」の意味で、「路地裏」は「路地」をさらに強めた言い方になり、「路地の奥」のような意味あいになる。表通りに対する細い道をいう「路地」は、その奥に何が潜んでいるのかという詩的な期待感を抱かせる言葉であるが、「裏」が付いてその場所(路地に面したところ)が特定されてしまうと、ゴミ溜めの臭いが漂ってきそうな生活感あふれる現実的な空間となる。特に江戸時代には、路地裏は貧乏人の住む借家すなわち長屋が並んでいた場所であり、路地裏はまた貧乏人と親和性のある空間でもある。(CAS)