カテゴリー:宗教、民間信仰、俗信
輪廻転生とは、生あるものは死んでもまたどこかで何らかの形で生き返り、苦しみの世界を流浪しつづけるという意味で、仏教の根本思想。
死んでもまた生き返るとは、一見楽しそうな世界観にも感じられるが、仏教では基本的にはこの世は迷いの世界であり、そのことを実感させるために、現世で悪事を働くと来世には昆虫に生まれ変わって、血を吸おうと人にたかった瞬間にたたきつぶされるというような悲惨なたとえ話が多数用意されている。
輪廻転生の思想は、インド人やギリシャ人のスケールの大きい妄想癖と底知れない悲観的な性向から生まれた考え方と思われるが、この思想を中国経由で輸入した日本では、「私はかわいい犬の生まれ変わりかもしれない」などというお気楽な考え方に変わり果てている。(CAS)