カテゴリー:日本論、国民性、習慣、礼儀
指切りげんまんとは、子どもが約束を守る気持ちを示すさいに行う儀式。小指と小指をからませる仕草により、約束を守る証しとして指を切り落とす行為を象徴的にあらわし、「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます」と陰気なメロディーで歌う。
「指切り」は過激な行為ではあるが、以前は遊郭などで男女が愛情を示すために本当に指を切って誓い合った。続く「げんまん」は約束を破ったら一万個パンチを食らわすという意味。さらに「嘘をついたら針を千本飲んでもらう」と、ギャングのように脅迫して念を押す。しかし、守れなくてもそんなことは実行されないから、その儀式自体がウソ。子どももウソとわかっているから平気で約束を破る。つまり、子どものころから「ホンネ」と「タテマエ」を使い分ける技術を体得させようという儀式であるといえる。(CAS)