紅葉(もみじ)狩りとは、紅葉(こうよう)した葉を拾い集めるという意味だが、晩秋に木々の紅葉を観賞する行事をいい、葉っぱを拾いにいく人はあまりいない。平安時代には、山野に出かけて紅葉した葉を実際に拾い集めて楽しんでいたので、きのこ狩りやブドウ狩りと同様、採集を意味する「狩り」という言葉が添えられている。
紅葉狩りには、春の桜観賞のように木々の下で酒盛りを楽しむという習慣もないが、葉っぱの落ちる木の下に来てみれば、桜の木のように陽気に酒を楽しむという気分になれないのはわからないでもない。つまり紅葉狩りは、木々が季節の終わりに激しく燃え上がる姿を遠くからしみじみ眺めるのが趣向なのであって、近寄れば近寄るほど、人生の終わりに近づいた殺伐とした気持ちなるだけなのである。(CAS)