この辞典の使い方>「も」で始まる言葉>木魚の意味、語源、由来
カテゴリー:宗教、民間信仰、俗信
木魚とは、仏教の僧侶がお経を読むときに用いる木製の打楽器。聞いている人々をこころよい眠りに導くお経の「単純なメロディ」「単調なリズム」「意味のわからない経文」という三要素の一角を担う重要な楽器である。木魚はやや変形した球形で中空のものが多いが、その名前の通り、表面には魚のウロコが彫りつけられている。これは、禅宗で食事などの合図のさいに打ち鳴らされた魚の形をした板「魚板(ぎょばん)」が木魚の原形だからである。魚の形をしているのは、魚は眠るときも目を開けたままなので、眠気に打ち勝って精進せよという教えなのだという。木魚が眠気をさそう楽器となったのは皮肉であるが、もしかしたら本来の教えも、「眠ってもいいから魚のように上手に眠っていないふりをしなさい」というものなのかもしれない。(CAS)