モダン(modern)とは、一般的には現代の、最近の、最新式のといった意味で用いられる言葉。しかし、時代区分でいえば「近代」(日本では明治時代から太平洋戦争終結まで)にあたり、その他の分野でも、「モダンアート」は19世紀にはすでに用いられていた言葉であり、「モダンダンス」は20世紀初頭に、「モダンジャズ」は1940年代に登場しているように、決して単なる「いま現在」を意味しているわけではない。それ以前の古くさい体制や手法に対して、新しい体制や手法であることを強調した言葉が「モダン」であり、あくまでも「その当時の新しさ」を言い表しているので、いまとなっては逆にレトロ感のただよう言葉となっている。「モダン」以後の「新しい」体制や手法については、「コンテンポラリー(contemporary)」すなわち「現代」「同時代の」といった表現が使われるほか、最近では「エッジが効いている」などといったようなわけのわからない言葉がしばしば使われている。(CAS)