カテゴリー:宗教、民間信仰、俗信
無我とは、自我がないという意味で、自我に対するとらわれ(自分への執着)を離れよという仏教の根本的な教え。「無我の境地」というくらいで、よほどの修行を積まなければ到達できない精神状態だが、「無我夢中」という言葉もあるように、われわれ庶民にもときにはこの境地に達する瞬間がある。
仏教がとなえる「無我」は、「我思う故に我あり」と説いたデカルトに倣えば、「我思わず故に我(我執、自己への執着)無し」といったところだが、この高邁な摂理をわれわれ無知無能な凡人にもわかりやすくとなえたことわざが「下手の考え休むに似たり」である。(CAS)