道とは、その先かその後ろかに、ある人の目的地が存在する線状の土地。つまり道は、人々の目的地を網目のように縦横に結んだ場所であり、歩いている道の先に自分の目的地があるとは限らない(方向音痴であったり、目的を定めずに歩いていたりするから)ので、人は道に迷ったり、道を誤ったりするのである。
日本において芸術や武術のジャンルは「茶道(茶の道)」「花道(花の道)」「剣道(剣の道)」「柔道(やわらの道)」のように、究極の目標に至る過程という意味で「道」の文字が用いられる。その「道」が指し示す目的地は、精神的、宗教的な高みであるが、それらの「道」にいそしんでいる大半の人々は、創始者をはじめ先人が残した「形」を踏襲したり、他人を打ち負かすことが究極の目的だと考えている。(CAS)