カテゴリー:慣用語、擬声語、擬態語
見切るの「切る」は、紙をハサミで切るというときの「切る」だが、進行していたものごとをハサミで切るように断つという意味がある。つまり何かを途中で止めるということで、「見切る」は見るのを止めるという意味である。しかし「止める」タイミングには二つあって、一つはなんらかの事情で途中でやめてしまうこと。もう売れないとして安売りに回す「見切り品」、議論を途中でやめて政策を実行に移す「見切り発車」などがそれである。もう一つは、もうすべてを見終わってしまったのでこれ以上見るものや必要はないからやめるということ。録画しておいたテレビ番組を全部見てしまう「見切る」、格闘技の試合で相手の攻撃技をすべて頭に叩き込んでいてどう攻めてきても対処できるという「見切る」などがそれである。このように二種類の局面で用いられる「見切る」だが、中途半端で止めるのと、やりつくして終わるのとでは、えらい違いがあるので、そのあたりはしっかり見切って(これは後者の意味)使用しなければならない。(CAS)