カテゴリー:ことわざ、故事成語、名言、名句
負けるが勝ちとは、「負けること=勝つこと」という誤った言説だが、ここで言いたいのは、いまここで負けるのは、長い目で見た勝負や、他の視点から見た勝負で勝つことにつながるという意味で、「この敗戦で落胆せず、次の勝利につなげなさい」という、敗者を勇気づけることわざである。しかし、いまこの勝負で負けてしまった敗者から、「この負けが勝ちにつながるという具体的な根拠を述べよ」と問われたとき、それをわかりやすく説明するのは難しく、結局のところ、敗者を元気づけるにはあまりに説得力のない、どちらかというと「負け惜しみ」とか「負け犬の遠吠え」に近い言葉であるといえよう。(CAS)