カテゴリー:慣用語、擬声語、擬態語
待ったなしの「待った」とは、「待ってください」という意味で、相撲の立ち合いにおいて、相手が自分のタイミングより早く突っ込んできたとき、「このままでは負けそう」と感じた片方の力士から出される、試合の中止と再試合のお願いのことをいう。相手力士は「このまま進めていればオレが勝てたのに」と心の中で舌打ちしつつも、表向きはこころよくその申し出を受け入れるのである。その「待った」を否定する「待ったなし」は、事態はどんどん進行していて中止や一時停止できないという、追い詰められた状況を意味する。「明日契約を取れなければおまえはクビだ」というようなことを、少しでもソフトに部下に伝えたいときに「待ったなしの状況だぞ」などと使うと、なかなか風情のある言い方となる。(JPZB)