万引きとは、店員の目をかすめて商店から物を盗む行為をいい、バカな大人が「子どものころはよくみんなで万引きしてた」と自慢げに語りたがる犯罪行為である。生活苦や病的な性格によるやむにやまれぬ万引きであればまだしも、そんな愉快犯的な万引きが後々になっても見つかったら、時効もなしにして片っ端から処刑してほしいと、店を潰された本屋の主人は考えているはずである。
「まんびき」は「間引き」が転訛したもので、店の商品を間引く(部分的に抜き取る)ように盗むことから来ているといわれる。「間引き」は、口減らしのために嬰児を殺すことも意味するので、悲惨な殺人との混同をさけるためにこうした言い換えが行われたのではないかとも思われるが、おかげでこの犯罪が、笑って許してもらえる罪のような印象を持たせられている感は否めない。(CAS)