カテゴリー:食文化、料理、食品、食材
まったりとは、主に料理の味を表現する言葉で、強く刺激的ではないが、こくのあるうま味の効いた味わいが口中にとどまって味覚を魅了し続ける感覚を表現している。したがって、こくがあってもすぐに口中を通り過ぎるスープのようなものについては「まったり」とはあまりいわない。スープに近くてもとろみのついたソース状のものかゲル状のもの、固形でも軟らかく水分が多いもので、塩辛すぎず、甘すぎず、辛みはなく、出汁の味がきいている食べ物をしばしば「まったり」と言い表す。つまり「まったり」とは、濃い味や脂っこい味を無邪気に喜ぶ素人さんに対して、「俺は食通である」という態度を表明するために用いる専門用語である。
同様の意味で、強い快感や感動はないが、癒される対象を見たり、五感に心地よい空間にひたって、脱力している感覚をも「まったり」という。要するに日なたで寝ている猫の感覚である。(CAS)