まさか

まさか

 まさかとは、そんなことはあるはずがない、思ってもみなかったという気持ちを強める言葉で、「まさか、あなたが結婚できるとは思わなかった」「弱小チームがまさかまさかの逆転勝利」などと用いる。つまり、「想定外だった」という意味をこめた言い方なのであるが、あくまでも日常語なので、とんでもない大事故を起こしてしまって、「まさか、そんなこと起きるなんて夢にも思ってもなかったしぃ〜」などと言い訳したのでは、言葉が軽すぎて冗談のように受け取れる。そこで、状況があまりに重大である場合には、「そのような事態は想定外でありまして」と堅苦しい言い回しを使って(言っていることは同じなのだが)、なんとか責任逃れをはかるのである。

 「まさか」は「真逆」と書かれることもあるが、これは当て字。「まさか」の「まさ」は視線の向いている方向、「か」は場所を意味し、「まさか」は本来「目前」「現前」ということであり、「目の前に重大事が迫っていて、いまさら手のうちようがない」という意味あいの言葉であった。「まさかのときに備えて準備を怠らないように」などと用いられるように、重大事が起こってしまったあとに、ひとごとのように言い訳するための「想定外」「予定外」などと違って、もっと「ライブ感」のある表現なのである。(CAS)

まさか ついでにこんな言葉もチェックすべし

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