カテゴリー:食文化、料理、食品、食材
牡丹餅(ぼたもち)とは、牡丹(ぼたん)の花のような餅という意味で、春の彼岸につきものの餅菓子だが、秋になると「おはぎ(お萩)」つまり「萩の花のようなお菓子」と改名して、秋の彼岸にも取り入っている商売上手な食べ物である。団子状の餅に餡(あん)やきなこをまぶしたもので、形が牡丹の花に似ているから牡丹餅というのだいう説をとなえる人もいるが、それなら同じものをなぜおはぎというのかと問えば、「咲き乱れる萩の花にも似ている」と答える、語源においてもご都合主義を強要する食べ物である。要は、催し物の際に作って配られた餅菓子に、その時期にふさわしい花の名前が付けられたというのが実情ではないかと思われる。(CAS)