傍若無人とは、横暴なふるまいを意味する。『史記・刺客伝』による、泣き上戸の大酒飲みであった秦時代の武人・荊軻(けいか)の「傍(かたわ)らに人無きがごと若(ごと)し」つまり「近くに人が誰もいないみたい」という振る舞いから来ており、勝手気ままな行動を言い表しているが、「あいつの傍若無人なふるまいには友人一同ほとほと手を焼いています」などと用いるように、現実には周囲に人がたくさんいて、そいつの「空気を読めない」どころか「空気を読む気もない」わがままなふるまいに、多大な迷惑をこうむっている状況を言い表す。(CAS)