ほっこりとは、暖かい物や暖かさを感じる情景を見たり、話を聞いたりして気持ちが安らぐ感覚を表現した擬態語。特に最近、のんびりした田舎の情景、懐かしい昔の思い出、かわいらしい子どもの仕草などを通して、何かにつけて安易に心を暖めたがる人々の間で多用されている言葉である。
暖かさの表現には他に「ほっくり」「ほくほく」「ほかほか」「ぽかぽか」「ぬくぬく」などがある。「ほっくり」は「ほっこり」にかなり近いが、皮をむいた蒸かしたてのサツマイモやクリの見た感じ、「ほくほく」はそんなおいしそうな食べ物が湯気を上げている感じ、「ほかほか」はある物が発している暖かさの空気感を表現した言葉、「ぽかぽか」は日光やストーブの暖かさなど「ほかほか」よりやや刺激のある暖かさ、「ぬくぬく」は暖かい部屋で寝具にくるまるなどして直接身体が暖まり、その暖かさを満喫している状態をいう。あるものやことを見たり聞いたりして自分の心が暖まる感覚を表した言葉が他に見あたらないので、素姓のいまいちはっきりしない「ほっこり」などという言葉が多用されていると考えられる。(CAS)