風営法とは、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の略で、「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する」ことを目的として、1948(昭和23)年に施行された法律である。この法律で「風俗営業」と定義されたのは、「キャバレー」や「ナイトクラブ」など「客の接待をして客に飲食をさせる営業」や、「まあじゃん屋」「パチンコ屋」など「客の射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」などであり、この法律でいう「善良の風俗と清浄な風俗環境」および「少年の健全な育成」に「障害を及ぼす」営業である。つまりそれらは、この法律の主旨からみれば、「反風俗営業」とか「裏風俗営業」などと称すべきものであって、「風俗営業」という言葉遣いは不適切である。
そんな法律の言葉遣いの誤りのおかげで、現在「風俗」といえば、エロかギャンブルに傾いた特殊な風俗をいうようになっており、法律の条文作成者の日本語に対する感性の欠如が招いた齟齬だといえる。(CAS)