カテゴリー:日本論、国民性、習慣、礼儀
風(ふう)とは、名詞や形容詞の後ろに付けて、方法、様子、スタイル、性格などの意味を持たせる言葉だが、気まぐれな風が吹くように、言いたいことをややぼかしてあいまいにしたいときに用いる。例えば、「こういうふうにやってください」は「こうしてください」と明確に伝えるのではなく、「こんな感じでやってもらえれば、たぶんうまくうまくいくんじゃないのかな」という気持ちを、「洋風建築」は、「西洋の建築」そのものではなく「日本の大工が西洋の建築をまねして作った建築」を表している。
漢字の「風」は「かぜ」という意味。日本語の「気(空気と似た意味)」という言葉が、人間関係に影響を与える得体の知れない要素を表すのに対して、「気」が動いて「風」になることから、「気」よりは少しは感覚的にとらえられる要素を表現している。(CAS)