カテゴリー:住文化、住環境、建築、インテリア、調度品
襖とは、日本間の建具の一種。木製の枠の両面に比較的厚い紙(唐紙:からかみ)を張ったもの。障子(明かり障子)と違い光を通さないので部屋間の間仕切りなどに用いられるが、所詮紙は紙であり、プライバシーを守るのには適さない。そのため襖は、隣の部屋の会話を盗み聞きするのに適した建具であり、時代劇ではお屋敷の小間使いが「何の気なしに」「ふと」ご主人の秘密の会話を聞いてしまうという小道具として多用されている。
ところで、「襖」はもとは「伏す裳(寝るための布)」、すなわち「布団」という意味だったが、その形が建具の襖に似ていたところから「襖障子(布団みたいな間仕切り建具)」、障子が略されて現代の「襖」という呼び名に落ちついたということである。多くの人に使われるようになれば、語源や本来の意味などどうでもよくなるという見本のような言葉だといえる。(JPZB)