カテゴリー:慣用語、擬声語、擬態語
ひとかたならず(一方ならず)の「一方(ひとかた)」は「一通り」「普通」という意味。したがって、その否定形である「ひとかたならず(一方ならず)」は「普通ではなく」「たいへん」という意味で、「あの人にはひとかたならずお世話になっています」などと用いる。そのように言われると、ずいぶん懇切に面倒を見てもらっているかのように思われるが、ある人から何かしてもらって感謝しているなら具体的に例を挙げるのが礼儀というものなので、「ひとかたならず」だの「何くれとなく」だので済ましているというのは、たんなるおべんちゃら以外のなにものでもないことがわかる。(CAS)