カテゴリー:食文化、料理、食品、食材
ひじきとは、日本で古くから食べられている黒いゴミのような海藻。味もけっしてよろしいとは言えないので、よほど食べる物がなかったに違いないと悲しくなるような食品ではあるが、それを食べると「寿命が伸びる」と言われているように、栄養価のある食べ物を見抜く力は現代人より先人の方があったようだ。もっとも、ひじきと長寿の関係がなぜわかったのかはよくわからないが……。
(改訂付記)近年ひじきに関する驚愕の事実が発表された。ひじきの主な栄養素である鉄分は、ひじきを煮るときに使用する鉄鍋の成分を吸収したもので、ひじきそのものに含まれてはいないとするものだ。してみると「寿命が伸びる」といういわれも、本当に昔の人がそう言っていたのか、昔の人がそう言っていたと現代の人がそう言っているのか、にわかに疑問がわいてくる。やはり私の直観通り、昔の人も食べるものがなくていやいやひじきを食べていただけなのかもしれない。というわけで、そんな画期的な研究結果が、私のひじき嫌いに拍車をかけている。(KAGAMI & Co.)