白眼視とは、白い眼で見ること、つまり白目をむいて見ることという意味だが、ゾンビの目つきをいうわけではなく、冷淡な目つきで見ること、軽蔑の視線を送ること、また相手を冷遇することをいう。中国・晋時代の「竹林の七賢人」のひとり阮籍が、俗人を軽蔑し冷遇したことを「白眼で看る」といったところからきており、「相手をまともに見もしない」という例えである。阮籍は一方、尊敬したり好意を持っている人物は「青眼(せいがん)をもって迎え」たというが、これもカラーコンタクトをはめてイギリス人みたいになったというわけではなく、「青眼」は「黒眼」のことで、相手を正視し厚遇することをいう。このように阮籍は、白眼(しろめ)と黒眼(くろめ)を使い分けて人と接したわけだが、それを「目を白黒させて人と接した」などと言い表すのは、「人と会うときいつも餅をのどにつまらせて苦しんでいた」みたいな意味になり誤用である。(CAS)