八面六臂とは、主に仏像において、八つの顔(=面)と六本の腕(=臂)を持っていることをいう。日常的に「八面六臂の大活躍」などと用いるときは、そんな仏像のように、一人で何人分もの働きをすることをいう。仏像には、千手観音のように「多面千臂」のスーパーヒーローもいるが、そこは人間のことなので、八面六臂くらいで遠慮しているのかと思われる。さらに遠慮がちな言い方に、三面六臂があるが、八面六臂より半分以下の働きしかしないというわけではない。
大げさな物言いが得意な中国語では、めずらしく「三頭六臂」と「三」の方を採用している。ということは、つまり「三面六臂」のほうがオリジナルで、「八面」は「もう少し活躍してほしいな」と思った日本人が、(それでも遠慮がちに)加えた数字なのかもしれない(注:詳しくは調査していません)。(CAS)