万死に値するとは、一万回死ぬのに相当するという意味で、多くは「おまえの罪は万死に値する」といった用い方がなされる。つまりよほど凶悪な罪を犯した犯罪者にふさわしい言葉であるが、現実には、ムカつく相手に比較的気軽に投げつけたり(相手だって忙しくてそんなに死んでいられないだろうに)、ちょろいミスを犯した政治家や実業家が反省の弁として口にしている(一回死んでもらえば十分なのに)。
もっとも、こんな大げさな言い方を愛好するのはもちろん中国人であり、彼らにかかれば白髪だって三千丈(約10km)も伸びるくらいで、中国人同士そんな言葉を真に受けて取り交わしていないので、「万死」も現状のような軽いノリの使用法でかまわないといえばかまわないのである。(CAS)