バレンタインデーとは、聖バレンタインが処刑されたのを祝う日。日本人はイエス・キリストがどんな人だったかはおぼろげながら知っているが、サンタクロースの職歴や業績はよく知らない。しかし、それでもこのバレンタイン氏の無名さよりはまだまし。なんでもバレンタイン氏は、ローマ皇帝の禁令に反して、ローマで禁止されていた兵士の結婚式をじゃんじゃん引き受けたため処刑されたのだとか。つまり、愛のために犠牲となった彼の功績をたたえて、現代のこのおめでたい祝祭がとりおこなわれているというわけだ。
日本でバレンタインデーは、女性が男性にチョコレートを贈って愛を告白する日として祝われている。このルールも日本で勝手に変えられたものらしく、チョコレートにいたっては、菓子メーカーの販促戦略だったといわれる。
日本式ルールは改良が重ねられ、会社の上司や同僚に「日々お世話になっているお礼に」として安価なチョコレートを配布する習慣が発生した上に、男性が女性にお返しをする日(ホワイトデー)が設けられ、愛を告白されない大半の男性も巻き込んでチョコレート需要は激増した。最近では、女性の友だち同士、さらには自分自身にもプレゼントする習慣も定着し、高級チョコレートのニーズ(愛を告白しても実を結ばないかもしれない相手に対してより、自分のプレゼントに金をかけたほうがいいに決まっている)も堅実に伸びている。(CAS)