ハロウィン(またはハロウィーン)とは、毎年10月31日に行われる古代ケルト民族起源のお祭り。アメリカあたりでは、カボチャのランタンを飾ったり、悪魔や怪物の仮装をした子どもたちが近所を巡ってお菓子をもらうといった行事が行われている。
英語のHalloweenは、All Hallows Eveを略した言い方で、「諸聖人の日(すべての聖人を祝福する日)の前夜祭」という意味。ハロウィンは、11月1日の「諸聖人の日」に、ケルト人の民間行事が結びついたものといわれる。この日には、先祖の霊が家族を訪ねてくるとされるが、死者の霊と一緒に悪霊もやってくるので、彼らを追い払うために行われるのがハロウィンの行事なのだとか。先祖の霊を迎え、悪霊を退散させるという点では、日本のお盆の期間に行われる迎え火や盆踊りなどと、ほぼ同じ趣旨の行事だといえる。
日本では意味不明な子どものお遊びにつきあうご近所さんもいないので、一部の物好きな親たちが、いやがる子どもたちにアメリカ風のハロウィン行事を押し付けている程度で、ながらくハロウィンはおめでたいアメリカ人の行事として認識されるにすぎなかったが、毎年ハロウィンイベントを行う巨大テーマパークや一部地方都市による地道な啓蒙活動に加え、この日にハワイなどで盛大に催されている路上の仮装行列イベントを日本でも流行らせようともくろんだ仕掛け人のねらいに、案の定おめでたい若い連中がとびつき、ここ2、3年の間(2015年記)急速に盛り上がりをみせている。日本でも、阿波踊りやよさこい祭りなど、参加型のイベントが各地で開催されているが、フランチャイズ化しているこれらの祭りはプロ化が進み、しろうとが飛び入りで参加するのは難しくなっている。そんな中、オタク文化のコスプレ願望を満たすハロウィンの仮装行列が過熱したのは当然のなりゆきであったともいえる。しかしこの行事もしだいに商業化が進み、今後は某テーマパークで行われているように、プロの山車(だし)や演技者と、しろうとの参加者が入り乱れるというスタイルが定着していくと思われる。(CAS)