はんこ(判子)とは、氏名や組織名を篆刻したスタンプのことで、日本では書類の内容を肯定した意志を示す記しとして用いられる。単に「判(はん)」ともいうが、言葉としてはむしろ「判」のほうが正式で、「はんこ」は「判を押す物(子)」という意味の愛称のようなもの。欧米人が同様の目的で用いるサイン(署名)は、記憶障害にでもならないかぎり、盗難にあったり紛失したりする心配がないのに、悪用される危険性の高いはんこをいまだに信用しているのは、日本人が常に同じ形の署名を書く自信がないからだろうか。もっとも、読みたくもない書類を読まずに、端からばんばん認証していくのに、はんこは確かに便利な道具ではある。(CAS)