カテゴリー:文学、出版、メディア
日記とは、日々のできごとを記すこと、記したものというほどの意味で、個人の日々の出来事や感想を記録した紙などの集積物であり、何のために書かれるのかよくわからない謎の多いデータベースである。
日記は人に読ませるために書くわけではないので、カギのかかる日記帳もあるほどだが、このカギは、こっそり読めと人を誘っているおもむきがあり、日記帳全般に「読むな」と言いつつ実は「読んでほしい」という複雑な感情が含まれている。
日本には、「日記文学」という古典文学のジャンルがあるほどで、他人に読ませたい気分まんまんの日記があふれているが、日記を読んでもらうにはまず他のジャンルで有名にならなければならないという手続きを踏む必要があり、基本的に世の大半の日記は、将来の自分を読者として今の自分のおかれている状況を知らせるタイムカプセルのようなものとして書かれていると考えるのが妥当であろう。(CAS)