この辞典の使い方>「な」で始まる言葉>名残、なごりの意味、語源
カテゴリー:慣用語、擬声語、擬態語
なごり(名残)とは、ものごとが過ぎ去った後に残る余韻や余情のこと。浜辺に打ち寄せた波が引いた後に残るものという意味の「波残(なみのこり)」が略された「なごり(余波)」が語源といわれる。語源からもうかがわれるように「なごり」は詩的な言葉であり、「戦国時代の名残をとどめる史跡」「夏のなごり」のように、過ぎ去ったことが心地よく思い起こされるものについて用いる場合が多い。また「なごり(名残)」は、「なごりおしい」「この世の名残に一献」「なごり雪」のようにものごとの終わりや別れ、終わりの時期を単に言い表す言葉でもあるが、その場合でも、一緒に過ごした時間やこの世に未練が残るとか、冬の間の楽しい出来事が想起されるというような、詩的な感情の高まりを表現している。それでも、「この部屋にいままで部長がいただろう、くっさい整髪料の名残があるよ」などと、さほど詩的でもなく、なつかしく思い出したくもない場面でも用いられることもある。(CAS)