カテゴリー:食文化、料理、食品、食材
つみれ(摘入)とは、魚のすり身などを材料とした練り物のことで、手やスプーンで一口大につまみとって(摘んで)鍋料理などに入れることから「摘み入れ」→「つみれ」と呼ばれるようになったもの。つまんで鍋に入れて茹でるものであれば、魚のすり身でなくても「つみれ」と呼ばれる資格はあるはずだが、鶏肉のミンチを同様にして鍋料理に入れる場合は「つくね」と呼ぶことが多い。「つくね」は「捏(つく)ねる」つまり手で丸めて団子状にすることからそう呼ばれているもので、鶏肉のミンチを丸めて串に刺し、焼き鳥にしたりおでんダネにしたりする。そこから、語源にかかわる製法や利用法は度外視して、「つくね」は鶏肉などの獣肉、「つみれ」は魚肉という区分けができたものと思われる。したがって、あなたが鍋パーティに出席して、博識ぶりを示そうと「鶏肉でも、これはつみれだ」と主張しても、無知で頑迷であなたを救いようのないバカだと思っている仲間たちから「鶏肉はつくねに決まっているんだよ」と反論されるだけである。(CAS)