知恵を借りるとは、よい考えややり方を教えてもらうという意味。教えてもらう相手は自分より知識が豊富だったり、専門分野に秀でたりしている人であるため、お願いする場合は、謙譲語を使って「お知恵を拝借」などという。そうやってへりくだってお願いにあがって、知恵を「借りる」というくらいであるから、「返す」つもりがあるのかと思いきや、アイデアやノウハウといったソフトには値段のつきにくい日本のことであるから、たいていは「借りっぱなし」であり、「借りたもん勝ち」みたいなことになりがちである。「お知恵を拝借」などと言ってあなたにすり寄ってくる連中は、最初から「踏み倒す」つもりである可能性が高いので、「専門家のご意見を拝聴したい」などというおだてに乗って気安くアイデアやノウハウを提供してはならない。(CAS)