ちょっとしたとは、わずか、少しという意味のちょっと(一寸)を連体形にした言葉で、わずかな、少しの、つまらない、たいしたことはないという意味で、「ちょっとした用事があって待ち合わせに遅れます」「ちょっとしたミスが命取りになる」などと用いる。しかし、例えばあなたの同僚が「ちょっとしたアイデアだろう」と言ったときは、言葉どおりにとれば「つまらないアイデアだろう」「たいしたことないアイデアだろう」だが、そこは謙遜上手な日本人のことであるから、こんなつつましい言い方ではあるが、実際は「いいアイデアだろう」「すごいアイデアだろう」と大いに自慢しているのである。「ちょっとした」が、言葉通りの意味なのか、謙遜しつつ自慢しているのかを判断するためには、そう言っている相手の顔が「ドヤ顔」であるかないかを見分けるのがよかろうかと思われる。(CAS)