カテゴリー:慣用語、擬声語、擬態語
ちょこざい(猪口才)とは、時代劇で、腕のたつ武士が、小ずるい攻撃を仕掛けてくる小物に対して、「ちょこざいなまねをしおって!」などと言いつつ、ばっさり相手を斬って捨てるといった場面で用いられるように、生意気な相手を貶める言葉であり、いまどき「ちょこざいなやつめ」などと見えを切っている人物は見かけない、ほぼほぼ死語である。
「ちょこ」は「ちょこっと」の「ちょこ」、「才」は「才能」「能力」という意味。したがって「ちょこざい」は「ちょこっと才能」つまり、小ざかしいこと、小ずるいことであり、少しばかり才があるからと生意気な態度を示したり、なにかとつっかかってくる相手を卑しめる言葉である。日本では、頭がよかったり、才能があったりしても、「ちょこっと」あるだけでは、「小利口」「小ざかしい」「小器用(こぎよう)」などとあまりよい評価を与えられないようで、ノーベル賞でも受賞してはじめて少しくらい褒め称えられる程度のものである。(CAS)