ぞっとしないは、「ぞっとする」の否定形だが、「恐ろしくてぞっとする」という意味の対義語ではない。「ぞっとする」には「ぞっとするほどの美人」のように、「震え上がるほど感動する」といった使い方もあり、「ぞっとしない」はその対義語で、「感動しない」つまり「おもしろみがない」「つまらない」という意味。したがって「この恐怖映画はぞっとしないね」は、「恐ろしくなくてぞっとすることもない」という意味ではなく、「映画としておもしろみがない」という意味である(結局、「カネかえせ!」という結論になるのは同じだが……)。(CAS)