清廉潔白とは、心が清らかで何の罪もないという意味。「清廉潔白な若手政治家」などと用いられるが、現実には言葉通りの人物はなかなか見あたらないので、若い頃親の権力で不正入学したとか、暴走族のリーダーとして地元でブイブイいわせていたとか、浮気がばれたといった程度であれば、十分「清廉潔白」で通すことができる。
「清廉」も「潔白」も心や行いが清く正しいことを意味し、いずれも中国の古典に文例があるが、「清廉潔白」という四字熟語は中国語にはなく、日本でつくられた言葉のようである。「聖人君子」という四字熟語が、言葉通りの立派な人を必ずしも意味せず、「聖人君子でもあるまいし…」などと皮肉めかして使われるように、プラス評価の言葉をいくら重ねても、2倍のプラス評価になるとは限らない。「清廉潔白」も、たいして清廉でも潔白でもないヤツが、人から糾弾されて「オレは清廉潔白だ」と必死で主張するような場面で使われがちである。したがって、「清廉潔白な若手政治家」も、「若いときは悪さをさんざんしたけど、いまは反省して清廉潔白で通ってま~す」みたいなヤツにふさわしい形容語であるともいえる。(KAGAMI & Co.)