雀(スズメ)とは、世界中に広く分布する背が茶色と黒、腹が白い小鳥。語源は、「すず」が鳴き声、「め」は「むれ(群れ)」が略されたものではないかと言われるが、諸説ある。人家の近くで群れて生活するが、警戒心が強く人には慣れない。人間の近くで暮らすことにより、食べ物を確保するとともに、外敵から身を守っているのだといわれる。よく見るとかわいらしくなくもないが、色があまりに地味(要するにこぎたない)であり、人に慣れないので、ペットにしようとする人はほとんどない。また、雑食で穀類から昆虫類まで食べるので、害鳥とも益鳥ともつかず、あえて退治しようとする人もない。食べれば食べられないことはなく、ちょっと変わったものを食べさせる居酒屋で「雀入りました」などという張り紙を見ることもあるが、おいしい鳥の肉が簡単に手に入る昨今、焼き鳥にしようとする人も少ない。小さく色も地味で目立たず、かわいくも憎たらしくもない外見、よそよそしい性格、毒にも薬にもならない立ち位置、たいしてうまいとはいえない肉の味など、人間の近くで人間に束縛されずに生きていくノウハウの詰まった鳥だといえる。(CAS)
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