カテゴリー:慣用語、擬声語、擬態語
捨てゼリフ(捨て台詞)とは、別れぎわに発する言葉のことで、相手が凶暴な人物の場合、言ったらすぐに全速力で逃げ去ったほうがよい内容の発言をいう場合が多い。つまり「覚えてろよ」とか「おまえもこれでおしまいだな」とか「脚が短いくせに偉そうにしてるんじゃねえ」といった発言である。もとは歌舞伎で、役者が登場や退場の際に放つアドリブのセリフをいい、それが別れぎわの挨拶の意味で用いられるようになったもの。当初は「さようなら」「またいつか」といった通常の別れの挨拶も「捨てゼリフ」と言っていたようだが、「捨てる」という言い方に、「言い捨てる」「吐き捨てる」のように、言ったことに責任を取らないイメージがあることから、別れぎわ(逃げぎわ)でもなければとても言えない危険な発言について言うようになったものと思われる。(CAS)