スローフォワードとは、ラグビーにおいてボールを自分より前にいる選手に投げることをいい、ルールで禁止されている。ラグビーは、ボールが思い通り前に進まず、やっている方も見ている方もいらいらしながらプレーしたり観戦したりするのが醍醐味だからである。あまりにボールが前に進まないので、キレた選手がときどきボールを蹴飛ばして前進しようとするが、これはルール違反ではない。しかし、キックは敵方の選手がうようよしている中に蹴り込むことになり、味方の選手にボールを渡すことがほぼできないので、それはそれでまたいらいらさせられるプレーではある。
スローフォワードは英語ではthrow forwardだが、日本語では“th”の発音を表すのに“s”と同じサ行の文字を用いるので、throw forwardはslow forwardと同じ表記になってしまう。forwardは、ラグビーを含む球技において攻撃の最前線のポジションも意味するので、slow forwardだと、太りすぎで動きの遅いフォワードの選手みたいである。まあ、throw forwardでもslow forwardでも、見ている人をいらいらさせるという点では共通しているが……。(CAS)