自分へのご褒美とは、自分自身に贈るプレゼント、賞与という意味で、要するに「自己満足」を具体化した行為であり、賞賛する他人に取り囲まれている自分を仮想するという点では「自己欺瞞」にも相当する。
自分の努力に対して「自分へのご褒美」を強調したがる人は、①その努力が他人に認められないという客観的事実がある(つまり、努力が成果として現れない、要するにムダな努力であったかたいした努力ではなかった)か、②十分に認められていても本当は誰も自分のことなんか気にもとめていないのではないかという被害妄想傾向であるか、③認められていてもそんな評価のされかたでは不十分であるという自信過剰であるか、のいずれかであると推測される。
近年「自分へのご褒美」として流行っているのが、バレンタインデーの「自分チョコ」だが、やや高級なチョコレート程度でご褒美になるというのだから、これは自他共に認める「努力というほどの努力もしていなかった」①のケースに当てはまると考えられる。(CAS)