始末とは、「好きなようにさせておけばこの始末だ」などと「好ましくない結果」をいったり、「始末に困るヤツだ」などと「取り扱い」の意味で用いられたり、「使ったものはちゃんと始末しときなさい」「会社を始末する」など整理、処理を意味したり、関西方面では「商人は始末が肝心」などと「倹約」「節約」の意味で使われたりする。また、恐ろしい顔つきをした親分さんが「あいつを始末しとけ」というのは、「あいつを殺しておけ」という意味である。
漢字の意味はものの始めと終わり(末)ということで、本来はものごとの始めと終わり、始めから終わりまでの経過、いきさつなどを言ったもの。しかし、「ものごと」というものは、すでに「始まって」いるからそこに「ものごと」としてあるわけであり、いきおい「始末」という言葉も、「終わり」「終わり方」に重点が置かれることになる。したがって「始末を付ける」といえば、「ものごとを終わらせる」ということであり、さらには「ちゃんと終わらせる」「かたを付ける」「決着させる」という意味となる。「あいつを始末しとけ」というギャングのボスの言葉も、手下のあなたとしてはただ「殺せ」と受け取るのではなく、「殺してちゃんと土の中かどこかに整理しておいてね」という意味だと察して、「始末」をしっかりしておけば、あなたの株も上がるというものである。(CAS)